今回はハープを購入する前の不安点の一つ、ハープのメンテナンス&維持費についての解説です。
『ハープ』という楽器は日本国内ではまだまだプレイヤーが少なく、なかなか身近に経験者がいません。さらに、楽器屋を見てもハープを扱っているところ自体がかなり限られるので、一体どんな楽器なのかイメージもしづらいのです。それゆえに購入後の維持管理に関してちゃんとできるか不安に感じる人も少なくないと思います。
実際、私もそのような不安を抱えている時期がありました。
今回の記事はそんな、ハープに興味はあるけど、実際どうなんだろう!思っている方に向けての解説です。
こんな不安を持っている人
- ハープのメンテナンスってどんなことをするの?
- メンテナンスの費用はどのくらいかかるの?
- ハープを維持するには実際どのくらいお金がかかるの?
今回は私自身の体験等も含め、その点を解説していこうと思います。
今後、ハープの購入を考えている方は是非参考にしてみてください!
私が使用しているのは青山ハープの『34Sシリーズ(34弦)』です。
青山製のレバーハープ(小型ハープやアイリッシュハープ)の購入を考えている人には参考になると思います。
ただし、以下の場合は楽器の作り自体が大きく違いますので、この2点についてはあくまでも『参考』としてください。
・同じ青山製でもペダルハープ
・青山ハープ以外の他社製のハープ
これらについては楽器自体の構造が違いますので、メンテナンスの事情も大きく違う可能性があります。
もくじ
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プロによるハープの調律は必要?
ぶっちゃけ、プロによる調律はしなくても問題ない!
これはあくまで『趣味』としてハープをやる人に向けてのアドバイスになりますが、私個人の体感としては、ぶっちゃけ、業者に頼むようなメンテナンスはそこまで必要ないと思います。
現実に、私は7年前に中古の青山ハープを購入しましたが、今まで業者にメンテナンスや修理を依頼したことは一度もありません。
そして、音が変になったとか、チューニングしにくくなったとか、特にそのような問題には直面していません。
『調律』に関しては、他の楽器で例えると、ピアノが分かりやすいですね。
家庭用のピアノの場合、専門の調律師に調律を依頼するわけですが、その頻度は一般家庭だと一年に一回くらいが目安とされており、値段は1万2000円~1万5000円くらいが相場とされているようです。
ハープも定期的な調律が必要になるのかな~(そうなるとお金かかるな~)と思っていたのですが、先ほども言った通り、アイリッシュハープのような小型の種類で、しかも趣味でやるレベルだと、プロの調律は必要ないと思います。
ハープも『オーバーホール』という、音程を細かく作り込んでいくメンテナンスがあるようですが・・・オーケストラで使うような大きなグランドハープは必要なようです。
日々の調弦はチューナーが一台あれば十分!
プロの業者に専門的な調律をお願いする必要はないのですが、日々の練習前には自分で音程を合わせる必要があります。
しかし、これも市販の電子チューナーが一台あれば十分!
私はすごく小さい小型のチューナーを使っています。
ギターのチューニング用に購入したのですが、そこままハープに使用しています。
価格は2000円もしなかったと思います。一度買えば10年は使えます。
チューナーを使ってチューニングさえきちんとすれば音感がなくても誰でもチューニングできますので問題ありませんよ。
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- 小型ハープだとプロによる調律などのメンテナンスは必要なし!
- 調弦は市販のチューナーが一台あればそれだけで十分!
ハープの毎日のお手入れは?
クロスを2種類用意するのがベスト
ハープのお手入れには『クロス』を使用します。ハープのボディと弦を布で拭いてあげましょう。
これは別にハープ専用とかではなく、楽器屋さんに売っているものとか何でもいいと思います。
一つポイントなのが、クロスを2つ用意すること。
1つはハープのボディーを拭くのに使います。
そしてもう一つは、ハープの弦を拭く専用として使います。
ハープの弦には私たちの指の油がつきますので、演奏を終えたら丁寧に拭き取ってあげましょう。
ハープの使用後、弦は緩めなくてOK
ハープなどの弦楽器はチューニングするときに弦をピンと張りますよね。この時にハープのボディーにはずっと力がかかり続けている状態になります。
そこで気になるのが、演奏をしないときは弦をゆるめたらいいのか問題。これはハープ以外の弦楽器、バイオリンやギターなどでもよく両方の意見が聞かれ、永遠の議題と言われています。
ではハープはどうか。
これも色んな意見があると思うのですが、緩めなくてOKという意見が多いように感じます。
私自身、練習後も弦を緩めることなく放置していますが、問題を感じたことはありません。なによりもハープは弦の数がとてつもなく多いですから・・・。
毎回30本以上の弦をガッツリ調弦するのって面倒ですよ。
それに、全部の弦が正しい音階の強さに力がかかっているのであれば、楽器ってそのように作られているということですから問題ないと思います。
一番問題なのは低音弦だけ緩めるとか、一部だけ強く力をかかるようなやり方。
これはハープのボディーに余計な圧力がかかってもしかしたら曲がってしまうということがあるかもしれません。
弦にかかる力は均一に。これだけは意識しておきましょう。
ハープの維持費について
購入後はほとんどかからない!ただし、予備の弦は一式用意しておこう
先ほども説明したとおり、小型のハープだとプロによる調律も必要ないし、維持費についてはさほどかからない方だと思います。
日常的にやることもクロスで拭くくらいです。
ただ、これだけは用意しておいてほしいのですが、ハープの予備の弦だけは一式用意しておきましょう。
ハープの弦は消耗品です。大切に使用していてもある日突然切れることがあります。
弦が切れるとそこだけ歯抜け状態となり、練習ができなくなります。すぐに張り替える必要があります。
この時、予備の弦を用意していないと非常に困ることになるのです。
ちなみに、ハープは各弦、それぞれ細さが違います。
例えば、「ド」の音の弦が切れたけど予備がない、でも隣の「レ」の弦だったら予備がある!となったら「ド」のところに入れたくなると思うのですが、弦の太さが違いますので代用できません。
つまり、音階の数だけ予備の弦が必要になるということです。
私が使用している青山ハープ34Sシリーズだと、弦が34本ありますので、予備の弦も34本必要になる・・・ということですね。
特に高音側のナイロン弦はけっこう切れます。1本500円~800円程度するので、弦数の多いハープを選ぶと予備弦だけで軽く1万円は超えてしまうのですが、でも一度購入しておくと安心です。
ちなみに、低音に行けばいくほど弦も太くなり、高額になります。
気になるのは弦の使用期限だと思うのですが、わりと長く使えますよ。私はハープ購入時に用意した予備弦セットを未だに使用しています。7年前の購入した弦を今張り替えても全く問題ありません。
新品の状態で大切の保管していれば、長期間使えると思いますので、安心の為にも1セット購入しておきましょう。
初期の段階で痛い出費にはなりますが、1セットそろえておくと安心です。
ただ、こう言ってますが、弦はそんなにぶちぶち切れないので大丈夫。たくさん切れても、年間3本~5本くらいだと思います。
中には定期的に全部張り替える・・・という人もいると思いますが、初心者はそこまで考えなくてもいいかな、というのが私の感想です。
とはいえ・・・全部そろえるのは金額的にもきつい・・・という方は、是非、ナイロン弦(中低音~高音弦)のところを優先して用意してみてください。ここは切れやすいです。
反して、正直、低音の弦はなかなか切れません。もちろん、定期的に張り替えた方がいいのですが、特に初心者の頃は、切れるまでは無理に張り替えなくていいと思います(むちゃ疲れるので)。
とりあえず弾けなくなると困るので、比較的切れやすいナイロン弦のところだけ用意して、いざ切れたら張り替えの練習をする、というくらいで十分だと思います。
まとめ
ハープの維持にかかる費用について私なりに考察してみました。
プロに任せるようなメンテナンスは必要なし⇒0円
日々のメンテナンスは市販のチューナー&クロスだけでOK⇒0円
予備の弦⇒1本500円~800円くらいを全セット常備。ただ、年間で張り替えるのも3本~5本くらい(つまり3000円分くらい)
楽器だけに関わらず、趣味を持つと維持するのにお金はかかかるものですが、ハープに関しては維持費はそこまでかからないのがお分かりいただけるのではないかと思います。日々のメンテナンスも簡単ですのでそこまで負担になりません。
ハープを始めようかな、と悩んでいる方は是非参考にしてみてくださいね。