『ハープって難しいの?』
と聞かれると、どう答えるべきかいつも悩むのですが、ここではあえて音楽の才能のない私が実際にハープを経験してみて感じた、ハープという楽器の難しさや問題点などを直球で語っていきたいと思います。これからハープを始めようと思っている人、周囲にハープを始めようと思っている人がいたら是非このページを読んでいただきたいと思います。
なお、あらかじめ言っておきますと、私は基本的にハープがもっともっと普及して欲しいと思っています。だからこそ今回は本音でハープの裏話を語っていきます。
もくじ
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ハープの難しい点
自分の周りでハープをやっている人がいたわけでもなく、ある日突然沸いてきた『ノリ』だけでハープを始めた私ですが、ハープという楽器に触れてみて『難しいな』と感じた点がいくつかあります。
- メロディーと伴奏を両方弾かないといけない
- ト音記号だけでなくヘ音記号も読めるようにならないといけない
- ハープ専用の楽譜が少ないので自分でアレンジしないといけない可能性がある
- ハープに関する情報が少ない
それぞれ解説していきますね。
①メロディーと伴奏を両方弾かないといけない
ハープはピアノのように右手でメロディー、左手で伴奏を弾きます。ピアノ経験者だとどってことないかもしれませんが、そもそも右手と左手で違うリズムを刻むというのが不慣れな人にとってはものすごく難しい。まさに私はそれ。
なお、ハープの初心者用の楽譜では音符の数も少ないので、私の体感としては、初級の音符の少ない楽曲であれば、経験者でも未経験者でもだいたい3か月くらい練習すれば簡単に弾けるような気がします。私はハープ教室に行っている時に発表会で『エーデルワイス』を演奏したのですが、初級レベルだったので、ゆっくりペースでも半年で弾けるようになった記憶があります。
もっとセンスがある方であればもっと早く弾きこなすことができると思います。
ただ、問題はそこから。
音符が増えて来てから、一気に難易度が上がります。右手と左手が全く違う動きをするようになってからです。
②ト音記号だけでなくヘ音記号も読めるようにならないといけない
これも人によってはかなり苦労するポイントの一つです。
ハープは音域が広いため、ピアノのようにト音記号とヘ音記号の楽譜を読めるようになる必要があります。
今までに楽器経験のない人はまずはこの、『楽譜を読む』という部分で少し訓練が必要になることを覚悟しておいた方が良いでしょう。
③ハープ専用の楽譜が少ないので自分でアレンジしないといけない可能性がある
ハープはまだまだ専用の楽譜がとにかく少ないです。
残念ながらまだまだマイナーな楽器といえる状態です。ハープ専用に編曲してくれている楽譜も売っているのですが、どうしても曲に偏りがあり、自分が弾きたいマニアックな曲とかは売っていないですね。
そこで、比較的楽譜の構成が似ているピアノ譜を購入してみたのですが、ピアノにはできてもハープでは弾くのが非常に困難に感じる箇所が必ず出てくるのです。例えばシャープやフラットの半音操作が多かったり、曲の中で転調されたりすると、アイリッシュハープや小型のサウルハープなどでは対応できません。
そこで自分でハープ用に曲をアレンジできればいいのですが・・・
私は絶対音感もないし、音楽の理論も全く分からないので編曲はできません。
でも、編曲できないと弾ける曲がかなり限られます。
ぶっちゃけ市販のハープの楽譜だけだと物足りなさを感じると思います。
そのくらい、ほんとに今はまだまだハープが世の中に浸透していないのです。
また、仮にピアノ譜を簡単にアレンジしたりするにしても、それは自然と転調や半音操作が少ない曲になりますのでここでも物足りなさを感じる可能性があります。
ハープで自分の好きな曲を自由に弾きたいと思ったら編曲できるくらいの音楽理論は勉強しておいた方がいいかもしれません。
④ハープに関する情報が少ない
結論から言うと、ハープは他の楽器に比べて情報が少ない傾向にあります。
ピアノやギターのように周りにやっている人が多いと直接教えてもらえる機会もあるでしょう。
しかし、ハープはとにかくプレイヤーが少ないので情報がない!とりあえず楽器屋に行っても、そもそもハープを扱っていなかったり、楽譜コーナーを見てもハープの楽譜はなかなか目にすることがありません。
誰もが知っている有名な楽器のはずなのに、極端なくらい情報が少ない、非常に珍しい楽器だと思います。
独学でハープを習得しようと思ったらなおさら壁を感じます。
ハープ教室などに通って先生が横にいれば厳しく指導してくれると思うのですが、独学で自分だけでやるとなると自分で正していくしかないですからね!
ハープは序盤は簡単に感じるのですが、中盤から一気に難易度が上がります。基礎をしっかりしていないとなかなか苦しくなってきます。
プラッセというハープ特有の奏法や、プラッセを使用しながらのスケールなど、めっちゃ大切な基礎がありますが、これを独学で学ぶのは少し難しいかも。私がオススメしている松岡みやびさんの『はじめてのハープ教本』では奏法の解説はしていますが、やはり本を見るだけではなかなかイメージするのは難しいかもしれません。
ただ、最近はYouTubeなどでも解説している人が少しずつ増えて来たように感じます。昔よりは独学でやりやすくなってきているのかもしれません。
ハープの良い点
せっかくなのでハープの良い点もあげておきますね!
ハープは『ドレミファソラシド・・・』の順番で弦が並んでいます。
例えるなら、ピアノの白い鍵盤が並んでいる感じだと思ったらイメージしやすいかもしれません。
ちなみにハープではドの音の弦は赤、ファの音は青色の弦になっており、これを目印に弾いていきます。
ですので、どこにどの音があるのか迷子になったり、音の場所を覚えること自体が大変、ということはないと思います。
音を出すこと自体も簡単です。張られている弦に指を引っかければいいだけですから。言ってしまえば初めてハープを触ったその瞬間から、心が磨かれるような美しい音色を体験することができます。
吹奏楽の楽器のように『そもそも音が出ない!』という悩みはありません。
まだまだレアな楽器
私がハープの中古を購入した時に聴いた話なのですが、ハープはまだまだプレイ人口が少ないので、中古もなかなか出回っていないそうです。
それは令和になった今でもあまり状況に変化はないように感じます。
一度購入するとなかなか手放さないので市場に多く出回ることがありません。ですので、中古で販売する時もわりと高額で出されているようです。
『やってみたい』と思ってもなかなか手が出せない、そんな楽器なのだそうです。
ハープの写真を見たらきっとほとんどの人が『ハープ』と答えられるはずです。それだけの知名度がありながら、全然身近に感じない、なんとも不思議な楽器です。
趣味でハープを始めた、とか言うと、かなり珍しがられますよ(体験談)!
まとめ
今回は私の独断と偏見でハープの難しいポイントをまとめてみました。
- メロディーと伴奏を両方弾かないといけない
- ト音記号だけでなくヘ音記号も読めるようにならないといけない
- ハープ専用の楽譜が少ないので自分でアレンジしないといけない可能性がある
- ハープに関する情報が少ない
これらのことを総合的にまとめると、ハープという楽器の難易度をお伝えするとなると・・・やはり『難しい』になるかな。
ハープは音域が広く、楽譜を読むようになるのも苦労しますし、両手を使うので中盤から少しレベルが高くなるように感じます。
それでいて周りに教えてくれる人が少ないのもハープの難しいポイントとも言えるかもしれません。
今後ハープがもっともっと普及してくれれば様々な意味で難易度は下がるかもしれませんが、現状は『簡単な楽器』とは言いにくい状態だと思います。
でも、それをふまえた上でも間違いなく魅力的な楽器の一つです。
興味がある人は是非検討してみてください!