私がハープに興味を持ち始めた時、インターネットを駆使していろいろ調べたのですが、こんな疑問が浮かびました。
ギモン
これからハープを始めてみたいけど、ネットで見たらなんかいろんな種類があるみたい。どれを選んだらいいの?
実は一言で『ハープ』と言っても、複数の種類があり、発祥の地も、奏でる音楽の種類も様々。
選ぶにしてもどのように選んでいいか分からず、困惑した記憶があります。
今回は、そのような方の為に、2つのハープのジャンルを分かりやすく比較してみました!
まずこれだけはお伝えしておきたいのですが、同じ『ハープ(竪琴)』と呼ばれる楽器でも選ぶ種類によって扱う音楽が全く別物になりますので、もしこれからあなたがハープを始めてみたいと思っているのであれば、まずはどちらのジャンルを選ぶかしっかり考えましょう。
是非参考にしてみてくださいね!
ポイント
購入する前にまずは自分がやりたいジャンルを見つけよう!
もくじ
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クラシックハープと民族楽器のハープどちらを選ぶ?
ハープはたくさんの種類がありますが、ジャンルとして大きく2つのジャンルに分けることができるかと思います。
- クラシックハープ・・・オーケストラで使うハープ
- アルパ・・・民族楽器として南米でよく弾かれているハープ
この2つは同じ『ハープ』という楽器でも奏でる音楽も違うし、演奏方法も異なります。
同じ竪琴なのでビジュアルは似ているので要注意です。
では早速2つのジャンルの違いと選び方を解説していきますね!
それぞれの楽器の大まかな特徴
どちらのハープもとても魅力的な楽器であることに変わりはないのですが、端的にまとめると2つのハープにはこのような特徴があります。
クラシックハープ(グランドハープ)
オーケストラが演奏している時に一緒にステージにいる楽器です。
様々な音楽を奏でるために足元にある『ペダル』を使って変音(半音上げたり下げたり)ができるような仕組みになっています。
『ペダル』を持たない一回り小さいサイズもあります。それには半音操作をするために『レバー』がついており、それを使って操作を行います。私が使用しているアイリッシュハープもレバーハープです。(半音操作がついていない小型タイプもあります。)
プロの奏者の多くは音楽大学の『ハープ科』を卒業しているようです。
他の楽器と一緒に合奏をする機会が多い楽器です。
アルパ
『アルパ』は一言で表現すると民族楽器。スペイン語でハープという意味です。
アルパは別名ラテンハープ、インディアンハープ、パラグアイハープなど様々な名称があります。奏でるのはもっぱら民族音楽。
クラシックハープとアルパの3つの大きな違い
ではここからは、クラシックハープとアルパの大きな違い3つを解説していきます!
この点に注目です。
- 爪で弾くか、指で弾くか
- 楽譜を使うか使わないか
- 弾く音楽のジャンルがそもそも全くの別物
①爪で弾くか、指で弾くか
クラシックハープは指の腹で弾きます。それに対してアルパは爪で弾く楽器です。
ここだけ聞くと大きな違いはないように思いますが、指で弾くのと爪で弾くのでは奏でる音質が違いますよね。
また、意外とポイントとなるのが、爪の有無による他の楽器との併用問題。ハープ以外にも何か楽器をしている人は注意が必要です。
アルパは爪を伸ばさないといけないわけですが、例えばピアノもやっている人だと鍵盤を弾く時にカチカチと音が鳴ります。
私の場合、ギターもしていますが、弦を押さえる左手は爪が長いと弾けません。
ハープしかやらないのであれば特段気にすることはないと思いますが、他の楽器も継続されるようであれば少し注意が必要ですね。
②楽譜を使うか使わないか
アルパ
アルパは民族楽器。ですので、楽譜などはなく、先祖代々口伝えで伝えられているそうです。
つまり、アルパは楽譜が読めなくても演奏できるということです。
ですので日本でアルパを習う場合は先生の弾く練習曲を録音して聴く。何度も聴いて覚える。
同じ曲でも奏者によってアレンジが違うのがアルパの面白いところとも言います。言い換えればアレンジ自由なのでメインのメロディーが合っていればあとは『アレンジ』と言いかえることができますよね。
楽譜を読めなくても演奏できる、というのは数ある楽器の中でもすごく珍しい特徴ですよね!
クラシックハープ
それに対してクラシックハープはオーケストラなどでも演奏をします。当然楽譜がありますので、楽譜を読めなければなりません。さらに、ハープの弦の数を想像してもらうと分かりやすいかもしれませんが、音域がかなり広いです。
オーケストラで使う大型のグランドハープは47弦ありますので、7オクターブあるということ。
私が使用しているアイリッシュハープはグランドハープより小型になりますが、それでも弦の数は34弦、5オクターブ以上あります。この音域の広さから『ヘ音記号』と『ト音記号』を読めるようにならなければなりません。
楽譜については今までに楽器の経験があるか、というのが大きいです。とくにピアノの経験がある人は楽譜の面では問題ないと思います。ハープは左手で伴奏、右手でメロディーを奏でるのでピアノの楽譜とよく似ています。
しかし、私のようにト音記号は読めてもヘ音記号は読めない人や、そもそも楽器自体が未経験という人は最初は少し時間がかかるかもしれません。
③弾く音楽のジャンルがそもそも全くの別物
クラシックハープはその名の通り、クラシックを弾けるように設計されています。その為、楽譜の途中で出てくる変音記号『シャープ(半音上げ)』『フラット(半音下げ)』にも対応できるようになっています。
クラシックだけではなく、J-POPなども弾くことができます。
それに対して、アルパは民族音楽を弾くのが目的。
解放弦はシの音だけが♭。これには理由があって実はアルパの曲はほとんどがヘ長調Fmajorかニ短調dminorです。
そもそもアルバの曲にはクラシックや日本のJ-POPと違い、半音(♯や♭)が出てこないので楽器自体にペダルやレバーがなくても困らないんですね。つまり、アルパは民族音楽を弾くことが目的で作られた楽器ということです。そう思うとクラシックハープとの違いが一番理解しやすいかもしれません。
余談ですが、『アルパは楽譜がない』とお伝えしましたが、シャープやフラットが出てこないためにそもそも楽譜がなくても覚えやすいのかもしれませんね。
ただ、近年ではそんなアルパも様々なジャンルの音楽を演奏することが求められてきたため、半音を操作する方法も開発されてきているそうです。
初心者の人はここを理解しよう
今、他にも楽器をやっているのであれば、その兼ね合いも少し考えてみよう!
どっちを選んだらいいの?
ここからは私の個人的意見もありますが・・・
結局は自分が何を弾きたいか、によると思います。
私は昔から自分の好きな曲を弾きたい!という願望が強い方で、例えるなら『歴史ある曲』『有名な曲』『古典的な曲』とかどうでもいいタイプでした(笑)。
ギターを始めた時はゆずが弾きたいからギターを始めました。大学でマンドリン部に所属している時はマンドリンの古典曲(マンドリンの為に作られた曲など)とかよりは、マンドリン合奏だとしてもJ-POPとか弾きたい奴でした(笑)。
今だってそう。
ハープでも自分が好きな曲を弾きたい!ゲーム音楽や日本の曲が弾きたい!と思ってしまうタイプなんです。
ですので、私はアルパのような民族楽器よりも、幅広いジャンルが弾けそうな(楽譜がありそうな)クラシックハープを選びました。
自分が弾きたい曲を弾くのが究極、音楽の醍醐味だと思います。
ハープはまだまだマイナーで楽譜の数は少ないし、ペダルやレバーなどの変音装置の有無など制限が多いのが課題ではありますが、それでもやっぱり、自分がやりたいことを実現できそうな方を選ぶべきです。
クラシックハープとアルパ、両方ともやるのはどう?
個人的にオススメしません!
私はクラシックハープしか触ったことがないので、アルパのことは詳しくわかりませんが、アルパ奏者の上松美香さんの曲が好きだし、同じ『ハープ』と呼ばれる楽器なので興味があって色々調べたりしています。
ただ、両方を一緒に習得する方はあまりおられないようです。
その理由として、先ほど説明したようにジャンルとしての違いもあるのですが、他にも、
- 二つの楽器の弦の幅が違う
- 弦の太さが違う
- 弾き方が違う
- 楽曲が違う
という特徴があげられます。
特に、弦の幅とか太さが違うのが大きいかと思います。
どちらか一方のハープでさえ、弦の感覚に慣れるのは一苦労です。
手元を見ないとオクターブの感覚など分かりません。ので、やはり、両方やりたいとしてもまずはどちらか一方にした方がいいかもしれません。
ポイント
すっごい荒い例え方をすると、
エレキギターとクラシックギターを両方一緒に始めるようなものですね。
エレキギターはバンドとかで使う楽器ですよね。アンプにつなぐことで音量を大きくするので弦は柔らかいし、フレットの幅も狭い。コードを押さえるにしても、非常にやりやすい。そして、ピックを使って弾きます。
クラシックギターは音楽室に置いてある、木でできたギター。ボディ全体で音を共鳴させて鳴らすので、楽器自体も大きいし、フレットの幅も大きいので、エレキギターに比べるとコードが押さえにくい。こちらは爪で奏でます。
同じように『ギター』と言っても全く違うのがお分かりいただけると思います。
指に当たる感覚なども全く違うので、ある程度慣れるまでは、どちらか一方に絞った方が成長は早いと思います。
まとめ
クラシックハープと民族楽器アルパの違いがお分かりいただけましたでしょうか。
どちらもとても魅力的な音色を奏でる楽器ではあるのですが、最初に選ぶ時に、自分の目的に近い方を選ぶことをオススメします!